東京てくてく紀行

PART1 ジョルジュ ド ラ トゥール展と西洋美術館編

関西のジミな街並みを歩くてくてく紀行ですが、去る2005年3月末ワタクシ東京行ってきましてね、色々面白い物を見てきたですよ。そんなワケで今回は番外編東京ウォーカーです。もっと頻繁に行きたいね。東京

観ました!ラ トゥール!いがったあ・・・
以上オワリ




ウソだけどw


フライヤーをコピー

でもそれで終っても良い位、言葉が無かったよ。作品解説なんて事は美術書で研究者がしてるだろうし興味も無いんで流すとしてだな、今回の観賞環境ナドを少々・・・

日本でのラ トゥール展はコレが最初で最後・・・なんて煽り文句を公式に言うもんだから、行った人の話をネットで聞くと、もんのすんごい混んでるみたいだったんだよ。「平日に行ったのですが人が一杯で観れませんでした」とかさ。
オレが行くのは春休みの休日だったんで開場10分前には並んで見る気マソマソ♪俎板ショーに参加するためにリキ入れてるオッサンみたいだぞ←ストリップ見たことないんでシステムとか判りませんが・・・

戯言はともかく、結果から言うとすごく見やすかった。アサイチって事もあって予想よりは空いていたけれども、やっぱりこう言うイベントを開催する事に慣れてるんだろうな、東京は。

以前京都で見た大レンブラント展ではブーブー文句垂れたんだけど、今回カンペキでしたよその辺。物々しい警戒をしてる警備員もいなければ作品をガードするロープも無い。
床面に立ち位置を指示するテープが貼ってあるんだけど、それも鑑賞者のマナーに任せるという感じで良かったです。(まあ絵を近づいて観りゃ良く見えるかってモンでもないけど人の視力や観察動機も様々だしね)

ルーブルのお宝「ダイヤのエースを持ついかさま師」も廻りにダレモイナイ状況で貸切だよ♪

ラ トゥールは真筆が少ない事で有名な画家ではあるけれど、それじゃあどの絵も良かったかと言うと個人的にはそうでもなくて、使徒を描いた肖像画なんかはあんまり感動しなかった。

絵にムラがあって、それも作品ごとにと言うより一枚の絵の中でも仕事にムラがある。右手と左手の描写が全然違ったりね。左の「ダイヤのエースを持ついかさま師」でも指摘されている事だけど、この4人の登場人物が同じ画家が描いたとは思えない程絵のスタイルが違う。技量どころか様式が異なるもんね。ラ トゥールは宮廷画家だから工房で作業をして、弟子やらの筆が加わっていたのは間違い無いけど、それは写真で観る以上に感じました。
ライティング(展示としての照明ではなくて、絵を描いた時の光源の位置ね)の独特さと相まって違和感・・・って言うか、それが不思議な雰囲気を醸し出していて、もしかしたら意図的にやっていたことなのかもしれないね。

フライヤーの「聖ヨセフの夢」はラ トゥールが再発見されるに至った有名な絵で、オレ的には一番好き。左手の天使は「美しく、愛らしく、しかし人間ではない高貴さと恐ろしさを兼ね備えた属性」を見事に表現していると思う。

皆、凛とした美しさに見入っていました。


この2枚と、あとマグダラのマリアが今回の白眉でしたね。

なにやらカポーが仲良く観賞していてたんだけど、男が色々解説してて微笑ましい様なウザい様なw
西洋画のモチーフが聖書から引用されているのは当然で、その背景を知るのは観賞の手助けになるかもしれないが、あんまりウンチク垂れると嫌われるぞ!え?と年寄りらしく心配してみました(笑)




「んで、相手の女性がオマイの好みだったんけ?」



「ウン」


図録も買ってみました。ぶ厚くてね・・・重かったス

例の絵柄のクリアケースも買いました。フライヤーもたくさん貰ってきちゃった(照)

さて、ラ トゥールを堪能したあと、特別催事のチケットで常設展示も見れるんだと。オマケに弱いオレとしては当然イクわなあ?お得大好きなんで(笑)










ナメてました
さすが東京国立西洋美術館です。地方都市(昔都だったとは言え)の基準で見たらあかんね・・・
すげ〜展示の量と質!
ユックリ見てたら一日かかる。東博の展示のスゴさは知ってたけど、西洋美術だけでこの内容かよ・・・ドレもコレも大家一流どころの作品ばっかりで、それらをとても身近に見ることが出来る。
イイよなあ東京の人・・・
都市部の人間が「美術にカネを出す」事を惜しまないのは、優れた美術品が生活にもたらす効果?を知っているからなんだろうな。結局それは美しい物を見る機会に恵まれているかどうかに左右されるワケで、都会人が垢抜けてるってのはそう言う事なんだと思います。
ネットや出版の「場所を問わない同時性」が地域差を解消したとは言え、現物に横溢する空気まで伝える事は出来ないからね。
東京芸大は上野公園にあるけども、確かに環境と言うのは携わる人間の質(審美眼と言い換えてもイイが)を良くも悪くも左右するわな。
あああああああああ東京・・・みんな東京目指す理由がこの年になってなんとなく←オソイ

んで、あまりに膨大な収蔵品にヘトヘトになった所に別の特別展が・・・マックス クリンガーというドイツの画家の展示。コレも入場券で見れるんだって。剛毅だなあオイ
アクアチントやエッチングで表現された、宗教的で(つまり聖書的、キリスト教的道徳観)些か暗めの世界観は又してもワタクシの好む所で(笑)中々楽しめました。ギュスターブ ドレとか大好きだよん♪
さっき環境の話をしたけども、今回はすごく恵まれてました。隣で見てる人がどんな人間かにも因りますし(笑)

美術品を鑑賞する行為は「人(他人)は作品をどんな風に見ているのか?」
その営みを客観的な視点で見つめる事によって、作る側の責任と言うか、そんなモノもおぼろげに見えてくる気もします。

「そんなコンは知ったこっちゃーナイ」
って姿勢も確かにカッコイイけどね。でも、それは人の目を気にせずに邁進する姿勢が真剣だから言えるセリフであって、怠惰に製作をする事の言い訳には成り得ないとも思います。



あ、そうそう、さっきのカポーと又逢ったんだけど、美術館前にあるオーギュスト ロダン「地獄門」前で「カミーユ クローデル」の話してた
ケッ
幸せそうだな
いつまでも
続くとイイな
オマイら
↑悔しくて仕方ないらしいなオレw
てくてく紀行つうほど風景の写真がないけども、てくてくてくてく歩いた事だけは確かだ今回w



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